| シヴァはヴィシュヌと並ぶヒンドゥー教二大神の一人です。 一番の特徴は破壊と恩恵の二面性を持つことです。それはシヴァの名が、紀元前一世紀頃に編纂されたインド最古の宗教的文献『リグ・ヴェーダ』の中で豪雨・雷電・災害の神であると同時に、雨を降らせ植物の生命の源である、モンスーンの神格化「ルドラ」の別称とされているからです。 シヴァで思い浮かぶのはやはり裸体で腰に虎皮を巻き、首には数珠とコブラを巻き付け、三叉戟と太鼓を持つ姿。 どこかで見覚えのある姿。あっ、そうだ!雷さまはもしかしてシヴァをモデルにしてるのかな…と思わせる姿です。 シヴァにはパールヴァティーの他にも多くの妻がいますが、それはシヴァ教を普及させる為、各地に伝わる土着の女神を取り込む過程で増えたもので、結局は同一の存在であると言われています。 その話の基となる神話を一つ。 ブラフマー神の息子ダクシャにはサティーという娘がいた。そろそろサティーのスヴァヤンヴァラ(女性が男性を指名できる婿選び)を行うこととし、神々を招待したがシヴァだけは招待しなかった。ダクシャは幽鬼を引き連れ火葬場をうろつくようなシヴァを嫌っていたからである。しかし娘のサティーはシヴァを愛していたのでシヴァのことを念じながら、選んだ夫の首にかける花環を投げた。そこに突然シヴァが姿を現し、その花環は彼の首にかかってしまった。サティーの念願通りシヴァと結婚できることになったが、ダクシャにとっては腹立たしいこと。 ある祭儀の時、祭主であるダクシャが入場してきたのに、シヴァだけは立ち上がって迎えなかったので、ますます恨むようになった。次の祭儀の時ダクシャはわざとシヴァを呼ばなかった。サティーは悲しみ、父に抗議する為に聖火に身を投じてしまった。知らせを聞いて激怒したシヴァは自らの髪の房から強力な神々を作り出し、ダクシャの家を襲い破壊した。 悲しみで放心状態のシヴァは、サティーの死骸を抱いて世界中を彷徨い歩いていた。その様子を見たヴィシュヌはシヴァを正気に戻す為、チャクラ(刃のついた円盤)でサティーの死骸を切り刻んだ。 それは百八に分かれ各地に散らばり大地に落ち、それぞれ巡礼の聖なる地となり、またシヴァの妻たちが生まれる地となった。 正気に返ったシヴァはまたヒマーラヤのカイラーサ山に戻り、苦行の生活をするようになった。 シヴァにまつわる話は、さすがヒンドゥーの二大神ですからたくさんありますが、それは次回ということで…。 |